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平田議員への公開質問状

平田研一様

2004年3月11日
京都精神しょうがい者の人権を守る会
代表 多芸 正之

 昨年12月18目、宇治小学校の事件が起こりました。この事件をうけて宇治市は全員協議会を12月24日に開き、市会議員と行政関係者が話し合いをもたれました。私たちの会はその全員協議会の場で平田議員が質問・要望されている発言内容をテープ起こしした原稿を読み、そこには精神しょうがい者の人権に関わる重大な内容が含まれていると判断しました。そこで1月18日に私たちの会と平田研一議員、西川博司議員、山井和則衆議院議員とが話し合いをもちましたが私たちの主張を理解いただけることは出来ませんでした。私たちは話し合う中で平田議員の一層著しい人権侵害発言と無責任な対応に怒りを抱きました。再度の話し合いを約束されて会を終えたのですが、その後、平田議員は「私はみなさんから糾弾されるような発言をしていないので、糾弾されるような場には出られません。」との意思を伝えられました。私たちは今もって平田議員の発言は精神しょうがい者の人権を侵害する内容であるとの見解をもっていますので、その私たちの会の見解を公にするとともに、平田議員に公開質問をいたしますので、文章をもって3月末日までにご回答をいただきますよう要請いたします。
 その後、公開されました全員協議会の議事録によりますと、当日の付議事件は「宇治小学校への侵入者による傷害事件について」となっています。市長、教育長、教育部長、保健福祉部長から事件と事件後の対応についての説明がなされた後、平田研一議員は質疑の冒頭で行攻に対する質問・要望を述べられています。平田議員は発言の冒頭に「12月18日、私にとって、またこの宇治市にとっても忘れられない日になりました。心の病んだ方が起こしたこのたびの痛ましい事件によって、何の罪もない子供らが体と心に深い傷を負わせられました。」との言葉で話し出されています。付議事件のテーマは「宇治小学校への侵入者による傷害事件について」ですが、平田議員の発言は冒頭より精神しょうがい者の起こした事件として語りだされています。(P.14)その後、安全面について述べられる際にも「犯人は心を病んでいたとはいえ、校区内に在住の方であり、日常的に学校周辺を通行されていたと聞いております。」(P.15)ということを述べて、そういう状況を前提として安全をどのように確保するのか、問われています。なぜこの事件が起きたのか、という問題の問いについても「起こるべくして起きた事故なのか、偶然の積み重ねなのか、心が病んだ方の犯罪だから仕方がないのか、管理のミスなのか、マニュアルを守っていたら防止できたのか、私自身が非常に結論を見出せないでおります。」と述べられています。更に、「地域性」という言葉を使われていますが、前後の文脈からすれば精神しょうがい者が多く住まわれている地域、精神病院に多くの精神病の方が通院される地域であるということを「地域性」という言葉で語られているように理解をいたします。
 このように犯人が精神しょうがい者であることを特別に意識される意図は何故なのでしょうか。「地域性」と使われている言葉の内容を詳しく説明をお願いします。
 次に、平田議員の宇治市行政に対して要望されている内容の中でも著しく精神しょうがい者の人権侵害に該当する発言について、抗議をするとともにお尋ねいたします。平田議員は次のように述べられています。「それと、これは地域性の問題もあるんでしょうが、統合失調症の方が今回事件を起こされたということを聞いております。その関係医療機関に対して、当局の方からお願いしたいのは、通院患者と児童の動線が交差しております。保護者も含めて大人が、本当に残念なことなんですが、非常に過敏になっています。ですから、病院から統合失調症への理解を深めるための啓発活動というか、そういう勉強会みたいなものも開いていただければありがたいと思います。これも保護者から言われた内容なんですが、病院の判断、通院ということで判断にミスはなかったのかということについても、市からただしていただきたいと。それと、これも非常に言いにくいんてすが、もしその統合失調症、犯人の方が能カ的に罪を問うことができない場合、またすぐに退院してこられた場合にどうするかということがあります。これについても格別の配慮をするよう、市から要望していただきたいというふうに思います。」(P.18)と宇治市行政に主として三点の要望を述べておられます。
 この平田議員の発言は、宇治小学校育友会会長をされている学校の保護者の人たちのなかに、又、地域の人たちのなかに、統合失調症の人たちに対する不安感、恐怖心を抱いておられる人がいて、いろいろと話されていることを意識しての発言と受け止められます。平田議員はそういう人たちの要望を代弁されて発言されていると考えます。山崎恭一議員の発言に「当日の宇治小学校の保護者説明会の中でも、こういう事例を起こす可能性のある人のリストを把握するということが必要ではないかと、そんなふうに発言された保護者もおられました。」と事件当日に宇治小学校の説明会での様子が語られています。(P.28)平田議員が育友会会長をされている学校の保護者説明会の席で、とんでもないひどい精神しょうがい者差別発言がなされていたということ自体をもってしてもその責任が問われなければならないと考えます。私たちとの話し合いの場(1月18日)で平田議員は今回の事件が起こる前から宇治小学校の生徒の中に通院されている精神病の人たちに向かって差別的な発言をする生徒がいたということを知っていた、と答えられました。しかし、地域の差別と偏見をどのようになくしていくか、という具体的取り組みについては自らは何もしてこなかったと認められました。今回事件が起こり「非常に過敏になっている」ということは地域の大人たちのなかに統合失調症の人たち(精神病者)に対する差別と偏見がますます強くなっている、ということを述べておられるのだと考えられます。今一度、お尋ねします。平田議員は宇治市会議員として、宇治小学校育友会会長として、その差別の現実とどのように向き合われてこられたのでしょうか。地域から差別と偏見を無くすことは、まず一人一人の主体的な行動を問うことから始まると考えます。差別する側の人と向き合うことがなければ平田議員も差別する側に立って発言されているのと同じであります。平田議員自身差別と向き合うお考えを聞かせてください。
 次に、医療機関に対して「病院の判断、通院ということで判断にミスはなかったのかということについても、市からただしていただきたいと。」と要望されています。これは主治医が入院させず、通院治療をしていたことへの異議と受けとめられます。私たちは、極力入院は本人の意思を尊重して判断されるべきと考えます。平田護員の要請を宇治市がもし「病院の判断、通院ということで判断にミスはなかったのか」ただしたとしたら、それは宇治市行政から医療行為への圧力となりかねません。医師が本人意思を尊重しながら誠実に治療に当たっていたとしても、犯罪の予測は不可能と考えます。安易に強制入院がなされ、精神しょうがい者は危険な人たち、彼らから社会を守らなければならないと、精神病者は長い時代精神病院に隔離・拘禁されてきました。犯罪予防による隔離・拘禁は精神しょうがい者に対する著しい人権侵害であります。平田議員の要望は、精神しょうがい者の医療に行政が圧力をかけて、社会防衛的な医療へ逆行させる恐れを抱きます。平田議員の要望は断じて容認できません。強く抗幾します。
平田議員の見解を聞かせてください。
 更に、平田議員は「退院してこられた場合にどうするのかということがあります」「格別な配慮をするよう」と求められています。この要望は何を意味するのですか。私たちとの話し合いの席で、退院された時に住まれる場所がなければ困られると思い、住居についての配慮をお願いした、と答えられましたが、そんな詭弁は納得できません。なぜなら、その前に「これも非常に言いにくいんですが」と述べられています。「非常に言いにくい」ことを前提としての「格別な配慮をするよう」とは具体的に何を考えての要望であったのでしょうか。犯罪を犯した精神しょうがい者が再び社会で生活される場合にはあらゆる機関と連携して、その人の動向について見張っていて欲しい、と市に要望されていると私たちは理解しましたが違いますか。平田議員の質問には一貫した精神しょうがい者、特に犯罪を犯した統合失調症の人からいかにして杜会を守るか、という防衛意識を強く感じます。犯罪を犯した人が、治療を終えて通院生活をされる時に、行政がその人の生活を見張るよう関係機聞に要請することは人権侵害にあたると思います。平田議員の要望に抗議します。
 このような市への要望の結果、精神しょうがい者がどのような立場にたたされ、どのような思いを抱き、宇治市民として地域において、これからどんなに生きずらくなるか、お考えになられたでしょうか。
平田議員の見解を聞かせてください。