| 関係各位の皆様
2003年5月7日京都精神しょうがい者の人権を守る会 TBS「ウオッチ」の「統合失調症(精神しょうがい者)」差別事件の経緯と要望 4月4日のTBS「ウオッチ」(朝6時より8時30分)番組において、7時45分頃、名古屋通り魔事件を取り上げ、犯人像について高橋紳吾(東邦大学)助教授にインタビューしたビデオが放映されました。その内容は「犯罪心理に詳しい東邦大学の高橋紳吾助教授にその犯人像について伺った。」という言葉で紹介、高橋紳吾助教授は『おそらく20代に発病している「統合失調症」の可能性があって、若い女性に対する被害妄想を持っている。つまり、街中の若い女性が自分のことを馬鹿にしているとか、何か囁いている、と。それにずっと苦しんでいた可能性がありますね。そのため、若い頃、どこかで治療を受けた可能性すらある。』とのコメント述べ、それと同時に『《統合失調症》自分の思考、行動が上手く整理できず、幻覚、妄想を起こす』と字幕スーパーが出ました。高橋紳吾助教授の言葉に続き「さらに高橋助教授はこの犯人がかなり抑圧された精神状態で犯行におよんでいる、と指摘する。」というナレーションが入り、高橋助教授は『第一回目は、やりながら「また刺してやる」という風なことを言っている。これは精神的なサイン。・・』とも語っていました。 |
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| 5月1日の話し合いの主たる見解の相違について記します。 TBSは回答文において、この番組が「統合失調症の患者が妄想にかられ、人に切りつけるような危険な人という差別、偏見を助長したものでした。」と述べていますが、当日も同様の認識をもっていること、「取り返しのつかない重要な過ちを犯してしまった。放送人としては失格である。」との言葉も語られました。しかし、最初に、その「取り返しのつかないことを犯してしまって申し訳ない。」と述べると同時に「起こしてしまったことは仕方がないので、今後、これをどういかしていくかが大切だと考えている。」との見解を語り、謝罪から次の課題に意識が移行していることを明らかにされました。そのことは「ウオッチの番組内でお詫びの言葉を述べた」ことで謝罪は終わった、と考えているのか、との質問が出ましたが、「起こしてしまったことは仕方がないので、今後、これをどういかしていくかが大切だと考えている。」と繰り返されるばかりでした。私たちは決して「40秒のお詫びの言葉」でTBSの企業としての謝罪が済んだとは考えていません。 話し合いのなかで、重要な視点が明確になりました。TBSとして今回の差別番組放映について、どのように謝罪し、責任を果たし、今後の対策を具体的にどう立てるのか、ということを尋ねまし時、責任はTBSライブにあるとの主張です。太田、玉置さんの主張は、今回の責任はTBSとは別の会社であるTBSライブが制作した番組だから、TBSライブに責任がある、との見解であります。しかし、私たちはTBSライブが制作した番組であったとしても放映したのはTBSであるのだから、明確にTBSがこの番組について謝罪すべき、と主張しました。放送法・電波法に基づく認可企業であるTBSには当然企業責任が問われると考えています。1996年テレビ朝日が「TVタックル」内でビートたけし、升添要一が精神しょうがい者差別発言事件を起こしたときに、テレビ朝日の社長が記者会見を開き謝罪したようにTBSに企業としての責任があると認識しています。 この点は大変重要であります。今回の番組を通して、当事者やその家族、関係者が受けた深い傷は計り知れません。と同時に視聴者には差別意識と偏見を助長させ、精神しょうがい者を差別の対象と思わせた責任も重大です。これらに対して、企業責任を誰が、どのようにして果たすのか、という問題です。この点について、太田、玉置さんは「ウオッチが過ちを犯したのだから、ウオッチ内でお詫びをし、ウオッチの番組内で、精神しょうがい者に対して正しい認識を提供できるような内容のプログラムを企画したい。」と述べられました。しかし、私たちは「ウオッチ内だけでなく、TBSとして精神しょうがい者に対して正しい認識を提供できる内容のプログラムを企画すべきだ。」と主張しました。例えば、これも先程の「TVタックル」を放映したテレビ朝日は、犯してしまったことは取り戻せないが精神しょうがい者の人たちに偏見と差別を助長させた責任を果たすために、一つの番組を制作することを表明し、局のあらゆる部所からの番組編成チームを構成し「あなたの夢は何ですか」−精神に障害を持つ人々と共に生きるーという1時間25分番組を制作し、1997年11月13日に放映しています。私たちはTBSが100%出資し、2001年に設立したTBSライブという会社が番組を制作して今回の重大な差別事件を起こした場合、当然、TBSに企業責任があると考えています。 又、職員の研修についても、太田、玉置さんは「ウオッチの番組制作にかかわった132名のスタッフにはすでに二度の研修をしているし、今後もこのスタッフに研修を継続していく。」と述べられましたが、私たちは、TBS全社員の研修を求めています。少なくとも全社員の継続的な研修がなければ、何度も何度もこのような差別番組が制作され、放映されると考えるからであります。「ウオッチ」という番組だけでなく、TBSの他の番組においても、何か事件が起これば犯罪心理学者・精神科医が専門家と称される人が登場し、犯人像に |
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ついてコメントを述べるという内容の番組がいくつも放送されています。そこでは常に精神しょうがい者や被差別の立場の人が犯人像として語られることが繰り返されてきました。それにより視聴者は身近なところで犯人探しを始めます。このようなことが視聴率アップを願うテレビのワイド番組等では益々興味本位に企画され、人権侵害の内容を秘めた番組制作が日常化しています。それによって精神しょうがい者がどれほど社会の中で生きづらくさせられてきたかわかりません。私たちはこの連鎖を何とか断ちたいと願っています。
今回の話し合いで明らかになった一つにこの番組に対してTBSに抗議の声が寄せられたのは約10件であったと報告されました。TBSの筋の通らない、不誠実な、企業責任も明確にしない理不尽な態度からも、文句を言ってきたのはわずか10人というTBS側の認識を感じざるをえません。この点は私たちの運動の力量不足として率直に認めざるをえません。それと13日読売新聞、14日共同通信関連新聞が「TBS障害者団体に謝罪」という見出し記事を掲載しました。私たちはその時点でTBSの回答文を受け取ってもおらず、回答文の内容も知りませんでしたので、二新聞社に強く抗議しました。しかし、その経緯を知らない読者のなかにはこの記事によりTBSの差別事件はTBSが謝罪して終わったものとの印象を受けられた人もおられたと思います。実際、私たちの会にTBSの簡単な謝罪で抗議を終えられるのですか、という電話を受けました。一方、この記事でもってTBSもこの件を終結させたいと考えたのでないかと推察します。 私たちは今後も徹底してTBSに抗議を続けていきたいと願っています。 又、TBSに限らず精神しょうがい者差別番組の制作、放映を決して放任してはならないと考えています。その運動の輪を広め、マスコミの精神しょうがい者差別と人権侵害を決して許さない!その声を一層に強めていきたいと願っています。 今からでもTBSに対して「ウオッチ」の統合失調症(精神しょうがい)者差別番組に抗議の声を発信し、私たちの抗議行動にご支援をお願いします。 TBS「ウオッチ」 |
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