3月18日「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(案)」が今国会に上程されました。この法案の目的は、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者」の再犯の予防とされています。なぜ、精神障がい者を対象として、再犯の予防を目的とした法律を作らねばならないのでしょうか。そこには、政府主導の精神障がい者に対する人権侵害・差別を推進しようとする意図が明瞭であり、断じて許すことはできず、非常な憤りを覚えます。
第一に、この法案の前提として、「再犯の予測が可能である」としていますが、精神科医師を含め多くの人々は再犯の予測は不可能と主張しています。刑法犯やいかなる犯罪においても再犯事例は多く存在します。司法従事者は判決をくだせても再犯を防止できないことはこの事実をもってしても明白です。再犯予測を目的にするかぎり、本人の治療より、社会防衛的な隔離拘禁が主要件となり、結果的には、指定入院医療施設での人権を無視した無期限の拘禁が行われるでしょう。
第二に、この法案の対象行為が、放火、強制わいせつ、強姦、殺人、強盗及びその未遂行為であるとし、非常に広範囲の者を対象者にしています。処遇決定の過程においても、十分な弁護が補償されておらず、冤罪も含めた人権侵害が多発することが予想されます。
これまでも精神障がい者がどれほど長く精神病院に隔離・管理されてきたことでしょう。どれほど多くの精神障がい者が院内で命と人権を奪われてきたことでしょう。私たちはその一人一人の命と悲惨な歴史を忘れません。
法案成立により、私たちが京都の地において、長年にわたって続けてきた「地域で共に生きる」実践が途方もなく後退することを許してはおけません。私たちは、地域で生きる精神障がい者の命を奪おうとする何ものに対しても共に闘い続けます。
私たち集会参加者一同は、政府に対しこの法案が精神障がい者の人権を蹂躙し、侵害する以外の何ものでもないと強く抗議すると同時に廃案を要求します。
2002年5月26日
緊急抗議集会参加者一同