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7.14放送人セミナーに関する経過と私たちの考え

 6月10日、TBSと二回目の話し合いをもちました。当日、TBS高橋広成法務部長はTBS児玉守弘取締役の回答文を提示されました。この中にシンポジウムを早い時期に開催する予定であることを示すとともに「このシンポジウム開催につきましては、貴団体の皆様にお力を是非お借りしたいと思っていますので、忌憚のないご意見やご助言を賜れば幸いです。また、シンポジウムへのご出席方につきましても宜しくお願い申し上げる次第です。」と述べられています。

 しかし、6月23日付、私たちの会に送付されてきましたシンポジウムはテーマ、司会者、パネラー、等、すでに決定されたプログラムでした。

 それは、次の通りです。

「TBS放送人セミナー・精神障害と人権シンポジウム」開催のお知らせ

7月14日(月)
14:00〜17:00 
14:00〜14:10 児玉取締役 開講の挨拶
14:10〜17:00 シンポジウム
司会者  池原毅和氏   
パネラー 広田和子氏 
     未定(精神障害者共同作業所「情報センターあおば」)
     中島 直氏(多摩あおば病院精神科医)
     斉藤道雄氏(TBS報道局)

 私たちは度々の電話での話し合いと6月29日付文書(後日この文書の全文を公開する予定です)でシンポジウムの司会者、パネラーの人選経緯の説明を求めました。特に、司会者、パネラーの人には「医療観察法案」に対する見解を尋ねて、報告して欲しい。依頼者の中には全家連に深く関わっておられる方がおられるので、その方には全家連の責任あるお立場でこの法案に関する見解を尋ねて知らせて欲しい。又、このセミナーのパネラーに私たちの会の推薦する当事者を加えていただけるのかどうかの回答を求めました。

 私たちの会のセミナーに対する見解は次のような内容です。

 今回のシンポジウムは「ウォッチ!」差別事件後、最初のTBS全社員の研修と聞いていましたので、外部から人を呼んでの研修より「ウォッチ!」担当者が「統合失調症」差別事件を起こしてしまった詳細な報告と犯してしまった過ちの原因を含め、制作過程の問題点、今後二度と精神しょうがい者差別番組を制作・放映しないために必要なTBSとしての施策・体制等について、時間をかけて検討するプログラムに変更し、今回の差別事件をTBS全社員に共有されることを求めてきました。

 この私たちの会の質問と意見に対して、7月7日、児玉取締役より回答文が届きました。次の通りです。

 『「ウオッチ」の責任者の報告がプログラムにないとのご指摘ですが、冒頭で当然ながら、4月4日当日のVTRを上映するとともにライブの責任者がなぜ間違いをおこしてしまったのかその経緯を説明いたします。セミナーの意図や目的それに法案についてもお尋ねですが、目的は「ウォッチ!」内での失敗を2度と繰り返さないことにつきると考えております。そのためには、まずなによりも、病気に対する正しい理解が必要であり、その上で精神障害者に対する差別や偏見の実態を知ることが重要だと考えております。このため、当事者の方からもお話を伺うほか、医療体制の不備の問題もとりあげる予定です。したがいまして、法案についても当然のことながらテーマになり議論が交わされるものと考えております。
 パネラーの人選についてもお尋ねいただきましたのでお答えいたします。今回のセミナーは、あくまで多くのTBSの人間がこの問題の理解を深め2度と同じ間違いをおこさないようにするために行うもので、人選も当方の担当者がその目的にあわせて行ったものと認識しております。パネラーからは法案に限らずさまざまなテーマについてさまざまな考え方を披露、討論していただき、出席者に徹底的に考え理解を深めてもらおうと考えています。そうした観点から、ご指摘いただいたことも考慮して、できるだけ幅広い人選に努めているつもりですし、セミナーでは、さらに幅広い意見をいただけるために出席者から質問や意見を聞く時間も設定いたします。何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。』

 私たちの質問には具体的に何も答えられていません。依頼された人の法案についての見解も私たちの会の推薦者をパネラーに加えるかどうかも、人選の経緯も具体的でありません。そればかりか3時間という限られたセミナーで「ウォッチ!」の差別事件についても報告し問題点を話し合いたい、「医療観察法案」についても話し合いたい、精神病についても理解を深めたい、医療体制の不備についても考えたい、精神障害者に対する社会の差別・偏見についてもその実態を学びたい、さまざまな人の考え方を聞いて徹底的に理解を深めると述べられています。今回のセミナーの目的は「ウォッチ!」内での失敗を2度と繰り返さないこと、と述べながら、これほど多様な課題について話し合いたい、と述べられる内容では結局「ウォッチ!」事件をあいまいにして終えることになることは自明です。私たちは、これをもって私たちの会から糾弾された差別事件に幕を引くためのセレモニーとしか思えません。それも、私たちの会からの推薦者を受け入れるとの回答もなく、セミナーは断行されるのです。約束破りのTBS、差別事件に対する欺瞞的終焉セレモニーに深い憤りを覚えます。

 私たちの会はパネラーの中島 直様、後にパネラーとして依頼を受けられた山本真理様に今回のセミナーに対する見解をお聞きしました。

[中島様のセミナー参加に対する見解]
 「とりあえず現段階の私の考えとしては、14日にやはり行って発言させていただこうと思います。メールでも記したとおり、マスコミの人に話ができるいい機会だと思いますので。もちろんこれで簡単に何かが変わるとは思いませんが、今回の経緯から今回の研修は筋が通っていないと拒否してもそれで変わるわけでもありませんので。ただ、貴会の活動については、参加者の姿勢を問う意味で、言及させていただこうと思っています。」(7月7日FAX)

 私たちの会は、中島様が私たちの会の活動(マスコミの精神しょうがい者に関する誤った報道姿勢についての指摘等)
について語れる立場でないと認識し、セミナーの席で私たちの会の活動について「代弁」される必要のないことを伝えました。

 それを受けて中島様の11日付けFAXによるセミナーに関する見解です。
 「貴会の立場からすれば、14日の研修会はアリバイ的なものであり、私はそれに協力する者ということになろうかと思います。ただ、私の考えとしては、これをアリバイ的なものにするのでないために何かができればと考えてお引き受けしたものです。・・もちろん貴会の活動内容を紹介できるとは思わないし、当然ご意見を代弁できるとも思いません。」

[山本真理様の見解」
 「状況理解できました。糾弾した当の団体が納得できない社内研修というのは論外ですから、私としては今回は参加を遠慮いたします。この経緯も含めて皆様が参加された社内研修会が開かれるべきと私は考えます。TBSには今日お断りしておきます。」(7月8日FAX)

 こうした、多くの問題性・矛盾をはらんだ中で進められる「ウォッチ!」事件の「対策」では、本質的に事件を乗り越え、よりよい報道のあり方に結びついていくとは到底およばないと私たちは考えます。